ヤギ山通信 その201 種はあなたの命も支えてる

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主要農作物種子法を廃止する法律が成立し、
今年4月から施行されました。
衆参合わせてわずか12時間、
十分な審議のないままの決定でした。

それについて、色々と危惧されていたことは知っていました。
でも、それでもどうしたらよいかわからず、
そのままにしてしまっていたのですが、
先日、知り合いの政田農園さん直売所の掲示板に張られていた
1枚のリーフレットが目にとまり・・

日本の種を守る会_R
日本の種子(タネ)を守る会。

1枚しかなかったので、帰ってから早速調べました。
署名活動やリーフレットの配布もあったので、
賛同することにしました。
署名用紙やリーフレットは、山田農場の直売所にも
置きますので、興味のある人はぜひ。

この署名も、反対の署名ではなく、日本の種子を守るための
新しい法律を作ってくださいとの要請の署名です。

そう、このままでは大企業(種子産業に関わる巨大多国籍企業)に
全てを依存する社会になってしまうのです。
タネという遺伝子は、守っていかないと、あっという間に汚染されてしまいます。

タネは命そのもの。
命には、多様性が欠かせません。
多様性の失われた社会は弱い。
多様な種、人も動物も、植物も、微生物たちも・・
お互いに支え合って生きている、気が付かない所で補い合っている。
それを忘れたまま、私たちは命を繋ぐことはできないでしょう。

こぼれタネが、
自家採種して蒔いたタネが、
その土地その土地で受け継がれてきたタネが、
畑で力強く育ち、またタネとしてここに戻ってくる日が、
永遠に続く世界であってほしい。

タネは、この地球の生き物たち、みんなの命そのものです。

ヤギ山通信 その200 11年

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2006年にこの土地に住み始めた。
電気も水道もなくて、道もなくて。
何にもない所からのスタート。
畜舎を建て、家を建て、チーズ工房を建て・・
あれから11年。無事に暮らしています。

トタン屋根にペンキを塗るのは、屋根の補修になるため。
10年経ったらペンキを塗り、また10年経ったら葺き替える・・・
のが本当なんだけど、大変なので、屋根の上に屋根を打つという
やり方があるそうです。
屋根は家の要です。

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(家とチーズ工房の繋がった屋根。
向こうのポコンと出た場所が、あとから作った子ども部屋。)

そういえば、思い出しました。
家を作る前、お世話になっていた材木屋の社長さんに言われたこと。
(この社長さんは26歳の時に、自宅を自分で作っています。
この時、ケイスケは28歳。だぶって見えたと後で教えてくれました)

「頭を隠せれば、もう家なんだよ。」
「見栄を張るな。小さく作って、あとから継ぎ足せばいい。
そういう、小さくてもシンプルな家が一番作りやすくて丈夫なんだ。」

大工の知識なんてほとんどなかったケイスケ。
家の既成概念が気持ちよく吹き飛んで行った。
きっと社長さんは、「そういう小さくてもシンプルな家」じゃないと、
こいつにはできない・・と思ったんだと思うけど、
その考え方は、今でも私たちの根底を支えています。

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そして、その家は、私たち家族を守ってくれています。

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11年間ありがとうと、感謝の心でペンキ塗り。
母ちゃんは、11年前は屋根打ちしたけど、
もう、高い所は・・と見るだけでしたが、
ちゃんと息子がお手伝いしてくれました。

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来年は畜舎の屋根をペンキ塗りします。

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屋根1枚1枚に、思い出もあったりして。
トタンの置き方もわからなくて、大間違いして、
張り替えたっけなあ。

柱にする丸太を林に取りに行ったけど、よくよく後で聞いたら、
その林はマムシの巣だったとか・・、

必死に丸太を運んで、皮剥いて、畜舎を建てたけど、
タイコ引きや丸太って、買ってもそんなに高くなかった・・とか、

乳飲み子の長男をおんぶして、毎日毎日建築。。
11月になっても玄関ができなくて、内装が寒くて寒くて。。
つかまり立ちしている長男の足が、しもやけで真っ赤になってたっけ。
離乳食も冷たくなっちゃって、全然食べてくれなかったなあ。

結局自宅が出来るまで、電気屋さんが来なくて、
最期まで電動工具使えず・・
手ノコとハンマーでの建築・・腱鞘炎になってたなあ。

ああ、思い出は尽きない。
生まれたとき(生み出したとき)って、子どももそうだけど
「場所」についても、鮮明覚えているものなんだね。
あのころの魂がそこにいるよう・・

ペンキ塗りで、色々と思い出して懐かしくなりました。

ヤギ山通信 その199 ここにしかない味

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うちのチーズ。
この山で
この草で
そしてここの動物たち
目に見えない微生物たち(菌や酵母たち)
それをいかに殺さず、活かし、お互いに理解しあえるか・・
で、出来たチーズ。

だからここにしかない味なのです。
やっぱ、うまいわ、これ。

ワインください。。



ヤギ山通信 その198 お母さんのおっぱいと命の時間

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8月半ば、時季外れの出産がありました。
通常、山羊たちは春に出産するのですが、
昨年秋に種付けしたヤギの「つの子」が早々に流産してしまい、
子宮の回復を待って3月に種付けをしたのでした。
山羊たちの繁殖期はだいたい3月で終了します。
春になると発情が来なくなるのです。

「つの子」は、ギリギリ発情があり、悩んだのですが、
生まれた子を引き取ってくれる方がいたので
種付けをしました。
なぜうちで育てられないかというと、
あまりにも先に生まれた子との体格差があって、
集団の中に後から入れるのが難しいのです。
引き取ってくれる人は、すでに山羊を飼育している友達。
安心してお願いできます。

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春には、子ヤギがうじゃうじゃいるのですが、
久しぶり(・・と言っても5か月ぶり?)に見る子ヤギは新鮮。
「かわいいなあ~」といいながら、1頭だけ生まれた子ヤギを見つめます。

生まれたて・・子は30分も経たないうちに立ち上がり、
口をくちゅくちゅ動かしながら、おっぱいを探します。
お母さんは必死に子ヤギの体に付いている羊膜を舐め取り、
出てきた胎盤を食べます。
草食動物なので、当然肉は食べません。
でも、お産の時だけは、必死に食べるのです。
口の周りは赤くなり、ちょっとすごい形相ですが、
本能のままに動く動物たちは魅力的です。
胎盤はどこに行っちゃうんだろう。。
胎盤をちゃんと食べなかった山羊よりも、
ちゃんと食べた山羊の方が、産後の経過がいいような気がします。

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後産(胎盤)もスルッと出て、出血もほとんどなし。
一息水を飲んでいる間、子ヤギはもうおっぱいを
くわえ始めていました。

乳を出すために、お母さんは沢山の血液を必要とします。
そう、子はお母さんの血液・・命そのもので育つのです。

人間でも同じだと考えてみます。
おっぱいを卒業しても、子はお母さんの命で育っていると思いませんか?
お母さん(お父さんの場合もあり)は自分の命の時間を使って
ご飯を作ったり、色んな意味で子を守ったりしています。
お母さんにとって、子どもの命もまた、
自分の体や心を使って、全身で守りたい存在です。
親と子の、命のつながりって、神秘的です。

目に見えないつながりが、私の命も支えてくれています。
山羊たちの出産を見ていると、
いつもそこの原点に戻ります。
その時間が好きです。

ヤギ山通信 その197 熊

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天候不順です。
北日本、どこもだそうですが、ここ道南も冷夏です。
やませの影響で晴れません。
2番牧草もみな刈れないでいます。
農作物にも影響が出ています。
久々にすごい冷夏です。

この畑は、7月に早刈りで集草。
悪天候になるギリギリ前でした。
8月は3週間ほとんど晴れず・・
やっと少し回復してきたけど、
もはや秋の気配。

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刈らせてもらっているのは近所のじいちゃんの畑。
うちの向かいの山です。
急斜面でぼこぼこなので、いつもタイヘン。
でも、なんとかこのバーディーくんで頑張っています。

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軽トラで集草。乾草庫へ運びます。
北海道でこんなことやってるの、
うちくらいじゃないかしら(笑)。

下に見えるのがじいちゃんち。
向かいの草地がうちの放牧地。
この斜面の途中に生えていたニオウ(野草)に異変が・・

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やはり・・熊の跡です。
ニオウの根っこは熊が好きなので、ガシガシ掘って
ここで食べたのでしょう。
その後サイドの藪へ入った感じでした。
この辺りは獣臭かったので、今朝方いたんじゃないかという話。

ひえ~~!と思ったけど、じいちゃんたちに言ったら
「ああ、上に住んでるからな」とあっさり。。
知ってて山菜採りに行ったりしてるし。
でも、この位置に居て、それ以上は下りてこないんだとか。

この辺りでは、牛のエサにするデントコーンを沢山栽培しています。
そのコーンは熊の大好物。
当然山から下りてきて、人間が刈り取るまで畑に出没します。
幸い、私たちの周辺の山では作っていません。
昔作っていたけど、あまりにも熊の巣になるのでやめたとか。

でも、少し離れたところでは、大規模に栽培しています。
なので、夏休み終わりころから熊の目撃情報が頻繁にあります。
これからの時期、子どもたちの登下校には、町の補助でバスが出ます。
デントコーン刈取りまでの間、車での送迎になるのです。

オオカミがいなくなり、シカや熊の天敵が居なくなったこと、
人間が山を潰し、切り開いて畑や住宅地にしてしまったこと、
・・バランスが崩れるのは当たり前ですよね。
そして熊は保護動物なので、被害がない限り駆除できない。
増えすぎた動物たちは、どうなるのか。
そりゃあ、里に下りてきますよね。

色々対策を考えているようですが、なんか矛盾しかないような気がします。
山奥のじいちゃんたちみたいに、
「熊がいるところに人間が住まわせてもらってるだけなんだからさ」
って、言いながら謙虚に暮らしたら、熊にも伝わるかな。


山田農場について

山田農場

Author:山田農場
2006年から農場を開墾し、畜舎・住宅・チーズ工房などを自分たちで建てて、2008年からチーズの販売を始めました。山羊・ヒツジを放牧と地元で獲れる作物で育て、なるべく自然な飼い方で、なるべく自然なチーズ作りをしています。季節を感じ、土地の個性を感じるチーズを楽しんでいただけたら嬉しいです。また、自給自足が目標で、お金のかからない、できるだけエネルギーを使わない暮らしを目指しています。
カテゴリーにあるお店の紹介にはアクセス・営業時間など、チーズの紹介にはチーズの種類と価格など、ヤギ山通信には農場の日記を載せていますので、ご覧いただき、お問い合わせは電話・Fax・メールでお願い致します。

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