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ヤギ山通信 その240 北海道胆振東部地震

9月6日、早朝3時過ぎ、突然の揺れ。
細かい揺れが来たかと思うと、ガタガタと音が聞こえるくらいの
連続した揺れ・・携帯の緊急地震速報・・
子どもたちもみんな起きてきて、何となく尋常じゃない空気を
感じました。

すぐにパソコンを開き(この時点では電気が来ていました)、
震源の位置を知りました。
その後すぐ停電。
5時ころまで仮眠して朝仕事のために起きました。
周囲を確認したところ、特に被害もなくホッとしました。

うちに手回しラジオがあったことを思い出し、
すぐに充電してラジオを聴き、
北海道全体がブラックアウトに陥ったことがわかりました。
というか、厚真が道内最大の火力発電所で、
そこが壊れた場合、どうなるかということも今回初めて知りました。
携帯も繋がらなくなりましたが、そのまま丸2日間停電の後復旧。

未だ厚真町、安平町付近の人たちは電気どころかライフラインの復旧のめども立たず、
暮らしそのものが途絶えている状態なのではと思うと心が痛みます。
一日も早く、被災地の方々の暮らしが戻ることを祈ります。

たった2日間の停電でしたが、この時に感じたことなどを記録のために
ブログに書こうと思いました。
長いけど、読んでください。

1日目の午後、大沼の市街まで繰り出し、明かりの点らない信号機、
街灯、物のないコンビニ、並んでも10ℓ給油制限のスタンド・・
色々見てきました。
たった半日で、スーパーからは物が無くなり、
流通が途絶えていく不安がそこにはありました。

DSCN0031_R.jpg

夜、本当に綺麗な星空を見ました。
どこも停電していて、いつもとは全然違う夜空でした。
全てが新鮮で、目と鼻が懐かしい記憶でいっぱいになりました。
学生の頃、3000m級の北アルプス縦走中に見た星空、空気・・
それに似ていました。

DSCN0036_R.jpg
(ランタンのあかりの中、カードゲーム)

翌日、停電が復旧し始めた地域があり、もうあの夜空は消えていました。
真っ暗な我が家で、明日も電気が無い生活を考えたとき、
初めて今までのチーズ造りが「甘かった」と感じました。
(↑ケイスケ談)

DSCN0033_R.jpg
(夕方、家の中は暗いので、外でギター練習)

2011年、3月11日の大地震以来、
自然な温湿度による熟成庫作りを始め、
「ここの環境にあった、できるだけエネルギーを使わないチーズ造り」
を探求してきました。でもそれは、
あくまで想像におけることであって、想像は現実を越えられないことを
今回初めて知りました。
頼りすぎていたものから引き剥がされた時の喪失感のあと、
非現実が現実になったとき、初めて想像の壁を超えることが
できました。

DSCN0030_R.jpg
(電気が無くて一番心配だったこと・・ヤギ達の脱柵と熊)

まず、停電が長引く恐れがあったので、
冷蔵庫にあったチーズはすぐに包装を解き、
地下熟成庫と地上の常温熟成庫へ振り分け
(どちらも電気を使っていません)
搾乳は手搾り、チーズ造りも電気は使わないので、
ヘッドライト一つのみつけるだけで作業は済みます。
ただ、これが本当に長期化した場合、猛暑だった場合、
乳量ピーク時だった場合など・・・
その時その時の対応ができたかどうかまでは
正直わかりません。

DSCN0029_R.jpg
(うす暗くなってから、爆竹を鳴らしに山頂へ・・熊対策)

ただ、暮らしにおいては、多少不便なくらいで、
燃料や食糧備蓄、野菜の確保(畑に行けばある)は
1か月くらいは全く問題なく、
家の方はのほほんといつも通りでした。

チーズに関しては、施設的にも流通の面においても
更に想像を超える現実的な発想が必要でした。
また、自分たちが思っていた以上に
今の社会が常に不安定な状態の上にあり、
脆弱な土台はすぐに打ちひしがれてしまうことを
見せつけられ、現実(日常)と非現実(非日常)は
背中合わせなんだということを改めて思い知らされました。

DSCN0044_R.jpg
(外のが明るい!!)

ただ希望だと思うのは、そこに気付ける、
この一瞬一瞬の非日常だと思うのです。
全て電気が消えなければ、あの星空には出会えなかったように、
苦難の中、日常では見られない景色に
何か揺り動かされるものがあるとすれば、
その心が教えてくれるものに素直に導かれても
いいのではないかと・・
ランタンの明かりの中、ゆらゆらする炎に
眠気を誘われながら考えていました。
そして電気が付き、私たちの日常は現実へと戻りました。

まだ被災地の方々は、いつ日常に戻れるかも
わからない日々を過ごしていることと思います。
また、西日本豪雨や台風の影響で、まだ長期停電が
継続している地域の方々、日々の暮らしが非常に困難な
方々も沢山いらっしゃいます。
個人の暮らしを災害が直撃した場合には、とても個人レベルの
備えだけでは太刀打ちできません。
行政レベルの救済と、暮らしや命の保障を
一日も早くお願いしたいです。
そういうところにお金を使ってほしいです。

また、電気や水がない生活をした時に感じる不便さと違和感、
脆弱な社会の土台に感じる不安を、これからどうやって
乗り越えていくべきかを、自分の事としてすぐにでも
考えていかなければいけないときに来ていると
強く強く感じます。
ライフラインが戻っても、常に隣り合わせにある災害。
まだまだやれることは沢山ありそうです。
それぞれの立場で、できることを一緒に考えていきましょう!




山田農場について

山田農場

Author:山田農場
2006年から農場を開墾し、畜舎・住宅・チーズ工房などを自分たちで建てて、2008年からチーズの販売を始めました。山羊・ヒツジを放牧と地元で獲れる作物で育て、なるべく自然な飼い方で、なるべく自然なチーズ作りをしています。季節を感じ、土地の個性を感じるチーズを楽しんでいただけたら嬉しいです。また、自給自足が目標で、お金のかからない、できるだけエネルギーを使わない暮らしを目指しています。
カテゴリーにあるお店の紹介にはアクセス・営業時間など、チーズの紹介にはチーズの種類と価格など、ヤギ山通信には農場の日記を載せていますので、ご覧いただき、お問い合わせは電話・Fax・メールでお願い致します。

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