ヤギ山通信 その199 ここにしかない味

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うちのチーズ。
この山で
この草で
そしてここの動物たち
目に見えない微生物たち(菌や酵母たち)
それをいかに殺さず、活かし、お互いに理解しあえるか・・
で、出来たチーズ。

だからここにしかない味なのです。
やっぱ、うまいわ、これ。

ワインください。。



ヤギ山通信 その198 お母さんのおっぱいと命の時間

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8月半ば、時季外れの出産がありました。
通常、山羊たちは春に出産するのですが、
昨年秋に種付けしたヤギの「つの子」が早々に流産してしまい、
子宮の回復を待って3月に種付けをしたのでした。
山羊たちの繁殖期はだいたい3月で終了します。
春になると発情が来なくなるのです。

「つの子」は、ギリギリ発情があり、悩んだのですが、
生まれた子を引き取ってくれる方がいたので
種付けをしました。
なぜうちで育てられないかというと、
あまりにも先に生まれた子との体格差があって、
集団の中に後から入れるのが難しいのです。
引き取ってくれる人は、すでに山羊を飼育している友達。
安心してお願いできます。

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春には、子ヤギがうじゃうじゃいるのですが、
久しぶり(・・と言っても5か月ぶり?)に見る子ヤギは新鮮。
「かわいいなあ~」といいながら、1頭だけ生まれた子ヤギを見つめます。

生まれたて・・子は30分も経たないうちに立ち上がり、
口をくちゅくちゅ動かしながら、おっぱいを探します。
お母さんは必死に子ヤギの体に付いている羊膜を舐め取り、
出てきた胎盤を食べます。
草食動物なので、当然肉は食べません。
でも、お産の時だけは、必死に食べるのです。
口の周りは赤くなり、ちょっとすごい形相ですが、
本能のままに動く動物たちは魅力的です。
胎盤はどこに行っちゃうんだろう。。
胎盤をちゃんと食べなかった山羊よりも、
ちゃんと食べた山羊の方が、産後の経過がいいような気がします。

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後産(胎盤)もスルッと出て、出血もほとんどなし。
一息水を飲んでいる間、子ヤギはもうおっぱいを
くわえ始めていました。

乳を出すために、お母さんは沢山の血液を必要とします。
そう、子はお母さんの血液・・命そのもので育つのです。

人間でも同じだと考えてみます。
おっぱいを卒業しても、子はお母さんの命で育っていると思いませんか?
お母さん(お父さんの場合もあり)は自分の命の時間を使って
ご飯を作ったり、色んな意味で子を守ったりしています。
お母さんにとって、子どもの命もまた、
自分の体や心を使って、全身で守りたい存在です。
親と子の、命のつながりって、神秘的です。

目に見えないつながりが、私の命も支えてくれています。
山羊たちの出産を見ていると、
いつもそこの原点に戻ります。
その時間が好きです。

ヤギ山通信 その197 熊

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天候不順です。
北日本、どこもだそうですが、ここ道南も冷夏です。
やませの影響で晴れません。
2番牧草もみな刈れないでいます。
農作物にも影響が出ています。
久々にすごい冷夏です。

この畑は、7月に早刈りで集草。
悪天候になるギリギリ前でした。
8月は3週間ほとんど晴れず・・
やっと少し回復してきたけど、
もはや秋の気配。

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刈らせてもらっているのは近所のじいちゃんの畑。
うちの向かいの山です。
急斜面でぼこぼこなので、いつもタイヘン。
でも、なんとかこのバーディーくんで頑張っています。

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軽トラで集草。乾草庫へ運びます。
北海道でこんなことやってるの、
うちくらいじゃないかしら(笑)。

下に見えるのがじいちゃんち。
向かいの草地がうちの放牧地。
この斜面の途中に生えていたニオウ(野草)に異変が・・

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やはり・・熊の跡です。
ニオウの根っこは熊が好きなので、ガシガシ掘って
ここで食べたのでしょう。
その後サイドの藪へ入った感じでした。
この辺りは獣臭かったので、今朝方いたんじゃないかという話。

ひえ~~!と思ったけど、じいちゃんたちに言ったら
「ああ、上に住んでるからな」とあっさり。。
知ってて山菜採りに行ったりしてるし。
でも、この位置に居て、それ以上は下りてこないんだとか。

この辺りでは、牛のエサにするデントコーンを沢山栽培しています。
そのコーンは熊の大好物。
当然山から下りてきて、人間が刈り取るまで畑に出没します。
幸い、私たちの周辺の山では作っていません。
昔作っていたけど、あまりにも熊の巣になるのでやめたとか。

でも、少し離れたところでは、大規模に栽培しています。
なので、夏休み終わりころから熊の目撃情報が頻繁にあります。
これからの時期、子どもたちの登下校には、町の補助でバスが出ます。
デントコーン刈取りまでの間、車での送迎になるのです。

オオカミがいなくなり、シカや熊の天敵が居なくなったこと、
人間が山を潰し、切り開いて畑や住宅地にしてしまったこと、
・・バランスが崩れるのは当たり前ですよね。
そして熊は保護動物なので、被害がない限り駆除できない。
増えすぎた動物たちは、どうなるのか。
そりゃあ、里に下りてきますよね。

色々対策を考えているようですが、なんか矛盾しかないような気がします。
山奥のじいちゃんたちみたいに、
「熊がいるところに人間が住まわせてもらってるだけなんだからさ」
って、言いながら謙虚に暮らしたら、熊にも伝わるかな。


ヤギ山通信 その196 夏の稔り・・そして祈り・・

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夏の稔り・・ベリーたち。
カシス、ラズベリーはジャムに。
まだわずかのブルーベリーはおやつに。

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草の中のズッキーニ。
毎日食卓にのります。

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新じゃがの収穫。

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今年は小芋の時期に雨が降らなかったせいか、
収量が昨年の半分くらい。
しかし・・旨い!
越冬イモの、芽が出まくったイモを、
「新じゃがが出るまでは!」と食べ続けていたのもあって、
新じゃがは待ちに待った夏の稔り。
掘り上げた後には、大根やカブを蒔き、
晩秋の稔りへと繋げます。

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今年初挑戦の紅花。その奥はエゴマ。
紅花は、花も実も使えるので、山形から種を取り寄せて
作ってみたけど、意外と丈夫で育てやすかった。
若芽も美味しく、レタスのような味。
花は、素晴らしく素敵な香り。
色々な効能があるようです。
新しい、ここの作物になりそうです。
キレイだしね。

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ここの地域で自家採種され、20年以上受け継がれてきた朝顔。
朝咲いて、シュッとしぼむ。
あれ、だから朝顔だよね・・と思いますよね。
今の朝顔は、昼間も咲いています。
そして自家採種しても、2~3年でうまく栽培できなくなります。
F1種なのです。

この朝顔の顔の中に、早朝忙しそうに出入りする蜂・ハナアブたち。
その姿を見ているとホッとします。
でも、その数は、ここ数年で激減している気がしています。
飛んでる虫が少ない・・
野菜はもちろん、花も、木も、色々な稔りに、
虫たちは絶妙なバランスで関係しています。
それを忘れた今、人間の都合だけの農業になってしまっています。
農業だけではありません。

近所でも、草地更新するために大量の除草剤をまき、
牧草を枯らし、その上に未発酵の堆肥を大量に投入し、
起こしてまた牧草の種を蒔いています。
そして再び雑草がはびこってくると、牧草が枯れない除草剤をまくのです。
そしてそれは、誰のご飯?
牛です。
ミルクを絞っている牛、お肉になる牛・・その御飯です。

ネオニコの被害はよく聞く話ですが、
最近知り合いになった「種牧夫」さんのブログがわかりやすいので、
参考にしてください。
種蒔く旅人

近くで養蜂をやっている農家さんの話だと、
蜂が弱って越冬できないそうです。
そもそも安全だと謳う農薬はどこから来たのか?
農薬だけでなく、同じように暮らしの中に入り込む、
合成洗剤や化学物質はどこから来たのか?
どれも戦争と繫がる事実ばかりなのです。

原爆を落とされながら、核兵器禁止条約に参加しなかった日本。
誰かの都合のために、私たちは生まれて、生きているのでは
ないとしたら、そのことの意味をもう一度考え直さないと
いけないときに来ているのではないかと思うのです。

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8月6日、9日、15日。
広島、長崎の原爆投下時刻、
そして終戦記念日。
近くの大信寺さんの鐘をつきながら祈ります。

原爆は落とされなくてもよかったはずのものでした。
それが落とされたことの意味。
それによって失われた、罪のない、おびただしい数の命。
生き残った命。
今につながる言葉。

失われた世界は取り戻せない。
蜂たちにそう言われている気がします。

ヤギ山通信 その195 「風のたより」の田代陽子監督より・・

風のたより表_R
風のたより裏_R

先日、ドキュメンタリー映画「風のたより」の
田代陽子監督(ようこちゃん)から
鼻息交じりの興奮気味の電話が来ました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017の、
アジア千波万波という部門での上映作品に選ばれたと。

その事の重大さがよくわかってない私は
ぽかんとしてしまいましたが、
よくよく聞いていたらすごい快挙だそうです。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 HP

ドキュメンタリー映画を撮るものは、一度は選ばれたいと思う、
それくらい、素晴らしい映画祭だそうです。

ようこちゃん・・おめでとう!
3時間11分という、長編の「風のたより」。
この映画を撮り始めたときの彼女をよく知っています。
あのころの時間を共有できたのは、
私にとっても、貴重な時間でした。

色々あって、映画撮りながらも色々あって、
編集しながらも色々あって、
上映しながらも色々あって・・
でも、諦めなかったようこちゃん。
自分が信じることを、ぶれずに信じつづけた。

それが人の心に届くんだろうな、きっと。
ようこちゃんは映画を通して、
私たちはチーズを通して・・
共有できる世界は同じ・・でありたい。

風のたよりHP
山田農場について

山田農場

Author:山田農場
2006年から農場を開墾し、畜舎・住宅・チーズ工房などを自分たちで建てて、2008年からチーズの販売を始めました。山羊・ヒツジを放牧と地元で獲れる作物で育て、なるべく自然な飼い方で、なるべく自然なチーズ作りをしています。季節を感じ、土地の個性を感じるチーズを楽しんでいただけたら嬉しいです。また、自給自足が目標で、お金のかからない、できるだけエネルギーを使わない暮らしを目指しています。
カテゴリーにあるお店の紹介にはアクセス・営業時間など、チーズの紹介にはチーズの種類と価格など、ヤギ山通信には農場の日記を載せていますので、ご覧いただき、お問い合わせは電話・Fax・メールでお願い致します。

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