チーズ農家のチーズ考 2017

チーズ農家のチーズ考 2017

「ガロはハードタイプになります」

ガロのチーズ(ソフトタイプ)は今年から
ハードタイプとしてリニューアルします。

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昨年より、殺菌しない乳でのチーズ造りにおいて、
地元の保健所と相談を重ねてきました。
日本初という事もあり、検査方法がまだ確立していませんでした。
その中で山田農場は、独自に検査を重ねてきました
(自主検査《毎日》、外注検査依頼《年3回》:すべて問題なし)。

そして今後は、より多くのデータが必要ではないかという事になりました。
保健所からの提案としては、全生産量の約10%程度という事でした。
更に、殺菌しない乳でのチーズ造りは日本で前例がないため、
全ての生産での検査をして欲しいというのが本音だということも聞きました。
しかし、仮に全生産量10%の検査を行った場合、我が家のような
小規模農家にとっては経済的負担が非常に大きいことがわかりました。

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理想的なチーズを造るための小規模農場の形を目指している私たちは、
経済や効率を優先する農業の形ではなく、与えられた土地を最大限生かし、
暮らしを主体とした循環をより善い形で保つことを理想としています。
そして、私たちがこの土地で続けていきたいのは、殺菌をしない、
そのままの乳を使う、自生乳酸菌・酵母たちによるチーズ造りです。
自生乳酸菌・・つまり、その土地の固有の菌叢(きんそう)で造ることが、
発酵食品の本来の姿だと思うからです。

チーズも元来、それぞれの土地の菌を利用して造られてきました。
それにより、土地の個性と多様性のあるチーズが生まれてきたのです。
やがてそれは伝統となり、文化となって、その土地に深く根ざして
今日に至ります。

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山田農場もまた然り・・という想い、情熱がありました。

私たちの身の周りには、多種多様な菌たちが住み着き、
乳は自然と発酵します。
そのことが、本当は一番大切な事なのだと思っています。

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今回の保健所の提案は、正直ありがたいものでした。
なにしろ、ソフトタイプにおいても、どうしたら出来るのか
(殺菌しない乳を用いた製造において)、道筋が出来たのですから。
ただ、やはり我が家の様な小規模農場での経済的負担はキビシイと考え、
今までのソフトタイプガロの製造中止を決断しました。
そして、今年からはハードタイプガロを造ります!

今現在の、日本のチーズ製造における規準は、
リステリア菌において、ソフトタイプおよびセミソフトタイプには上限を設け、
ハードタイプには規準がありません。
(詳しく知りたい方は、厚労省HPなどに掲載されています)
つまり、ハードタイプチーズは、水分値、PH値、水分活性など、
リスクとなる特徴の非常に少ない食品として認識されているのです。
それならば、ハードタイプだったら、山田農場の土地の味を造りつづけられる・・
そう判断したのです。
そういうわけで、今年からガロのチーズはハードタイプになります。

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名前に関して、とても紛らわしいのですが、
同じく「ガロ」としたいと考えています。
何しろ、この土地の名前。思い入れもたっぷりです。
毎年ながら、皆様にご迷惑ばかりおかけして、
本当にいつも申し訳なく感じております。
どうぞ今後とも変わらぬ愛情をかけていただければ嬉しいです。

いつも勝手ばかりですみません!!!
どうぞ今シーズンもよろしくお願いいたします!!

※殺菌しないミルクによる自生乳酸菌・酵母を用いたチーズ造りについてはこちら。
チーズ農家のチーズ考 2016

≪今年のチーズのラインナップ≫
●ガロ(ハードタイプ:4月中旬以降)   
●ヨシノ(ハードタイプ:長期熟成のため、秋以降)   
●リコッタ フレッシュ(予約販売のみ・個数限定) 
●リコッタ プレス(プレス後加塩・個数限定) 
チーズの紹介を参照してください。  

地方発送受付は4月後半以降になる予定です。
また、生産量に限りがあるため、
ご予約を頂いてもお時間をいただく場合があります。
日時の指定ができない場合もございます。どうぞご理解ください。
直売所の営業も、土日は大体営業、平日は要予約となります。
農作業のため、近くにいない場合も多々あります。
チーズの在庫状況も含め、必ず事前に確認のご連絡をしていただくよう、
お願いしております。
ご面倒をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

ヤギ山通信 その184 1頭1頭違う

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3月に入り、ほぼ毎日出産があります。
出産がなくても、この子は明日生みそうだとか、
だいぶお腹が下がったとか、お乳が張ってきたとか。

当たり前なのですが、お母さんも1頭1頭違うのです。
「お産の癖」も違います。
初産はわからなくても、経産だとその傾向は顕著。

陣痛から早いよねとか、
静かに生むとか、大騒ぎするとか、
お腹下がってもなかなか生まないとか。

私もそうでした。
子どもたち3人とも、夜中12時くらいに「あ、今日だ」って。
生む姿勢まで一緒でした。

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ほとんどの出産を私たちは介助しません。
逆子でも、自分で生んでしまいます。
双子の2番目が、せっかちで、1番目が出てないのに
出てきてしまう場合や、胎位が不自然で引っかかってしまうときは
一度押し戻して整えてから自然分娩させます。
その方が圧倒的に出血の量が少なく、悪露も少ないのです。

時間がかかっても、お母さんの体に任せておいた方が、
負担が少ない。
母子ともに元気な場合、見ているだけで済むことがほとんどです。
どちらかに元気がないと、子どもが低体温になってしまうので
早めに確保して温め、初乳を絞って飲ませます。

原さん料理教室と山羊出産 017
まだ子ヤギの肢まで娩出が終わってないのに
子どもを舐めるお母さん。
立派な母性愛。

山羊の出産 2015 003
お母さんが舐めると、あという間に乾く。
人間がいくら拭いてもキレイにならないのに、
羊膜も羊水も、キレイに舐め取るお母さん技はすごい。
子どもも、あっという間に立っておっぱいの方へ。
乳首にたどり着く前から、口元はもう「ちゅっちゅっ」って動いてる。

すごいなあ。。
いつも見とれてしまう、この瞬間。
きっと何百回って見てきた出産のシーンだけど、
自分が年を取るごとに感動のふり幅がすごい。

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君たちももうすぐだね。
丈夫な子を産んでくださいな。
でも、何かあっても助けるから、安心してお産に挑んでください。
いつも見守ってるよ。

山羊たちとの信頼関係は、
お産で初めて築かれる気がします。
お互いが大事な存在なんだって感じるというか。
頼られてるなあっていうか。
勝手な助産婦のひとりごとです(笑)。

ヤギ山通信 その183 不思議なクニの憲法上映会

ふしぎ
「不思議なクニの憲法」上映会、明日から2日間。
(大沼上映会情報→こちら
いよいよです。
小学校でインフルエンザの声がチラチラ聞こえてきたので、
冷や冷やしていましたが、何とかなりそうで、ほっ。。

先日、試写会をして観てきました。
予想以上に、素晴らしい映画でした。
高校生から90歳まで、みんな自分の言葉で、
賛成派も反対派も、改憲派も護憲派も、
とてもわかりやすく、しっくりくる言葉。
そしてその人の表情、語り口。

2時間半が、あっという間でした。
ブックレット(1000円)もあるので、後に復習もできます。
当日も販売しますが、ご希望の方には後日ご案内できると
思いますので、お問い合わせください。

また上映会終了後に、報告と感想を書きますね。

さて、試写会から帰ってきたら・・・

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生まれていました!!出産第一号!
1週間も早いお産で、ノーマークでした。。
でも、初産にもかかわらず、しっかりした双子を産み、
産後の処理も自分でして(後産を食べる)、
もう子どもたちに初乳を与えた後でした。

お母さんの名前は「コハイジ」。
いや~、りっぱりっぱ!
映画で希望をもらって帰ってきたら、
希望が生まれていて。。
なんかじ~んと嬉しかったです。
「がんばろう。この喜びのために生きてるんだもんな」
そう思いました。

そういうわけで、始まりましたベービーラッシュ。
3月に入ったら、チーズ工房も起こさないと!(笑)

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うちの子たち(乳酸菌たち、酵母たち)もね!


ヤギ山通信 その182 必ず帰るよ

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「行ってきま~す!!」と元気よくハルサクが出かけていく。
背中にリンゴを2個背負って。

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2月に入ると気温が上がり始め、雪が堅雪になる。
そうすると薪仕事が始まる。
今年はぶどう畑を広げるため、そこの面積分の木を切ることに。
雪が融けてしまうと作業がしづらいので、3月までには終わらしたい。

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うちから歩いてすぐの山なのだけど、
丁度作業半ばでお腹がすいてふらふらしてくるので、
お昼までのお腹を持たせるためのリンゴ休憩。
そのリンゴを持ってハルサクは出かけているのでした。
もちろんお手伝いも!(一応母ちゃんも!)

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そして週末には総動員で薪仕事。
実は子どもたちのアルバイトにもしていました。
ここで少しお小遣いをもらい、
春休みにまた好きなガンプラを買うのが楽しみ。

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この日はプラス5度。
もう春だなあ~。。

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働く働く働く。

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シバ片づけも、助かるんです。

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太い木は玉切りにしてソリで下します。

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このあと回収した薪を割っていくのだけど、
今年から薪割りも本格的にやってもらいます。
「筋肉付けたい」「強くなりたい」
という理由で、子どもたちは快諾。
男の子っていいなあ~(笑)。

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今シーズンの初倒木の朝、山へ出かけるケイスケは少し緊張していた。
「最初が一番緊張する。怪我しないようにということと、
山や木々に対しての畏敬の気持ちを持ってチェーンソー使わないとな」

ああ、あったあったと、私もお守りを渡した。
なぜか「安産祈願」だったんだけど(笑)、パッと手の届くところにあったので。
「やっぱりさ、必ず帰ってきたいからさ。」
と、ケイスケ。

山の仕事も、どんな仕事も、時としては命に関わることもある。
それをいつも心に置いて、仕事をするのは大事なことだと思った。
そして自然や、暮らしを温めてくれる薪になってくれる木々たちにも、
山々にも、いつも感謝の気持ちがあって。
そして必ず帰りたい場所があって。

もう少しで山羊たちの出産が始まります。
命のサイクルの中にどっぷりはまる日々。
そのスタートは、春の薪仕事でした。
そう、もう始まっている。農場の春です。

ヤギ山通信 その181 暮らしから始める平和な社会のつくり方

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真冬のわが家。
1年で一番、心も体もリセットされて解放されている時。
色んなことを充電したり、
今まで貯めこんだ、様々なことを噛み砕いて
消化したり反芻したりする、大事な時期。

その中で、いつも心にあることを一つ、挙げさせてください。

広島で暮らす友人、坂本耕太郎くん。

裏山に豚を放牧して抗生剤などを使わず飼育し、美味しいお肉を出荷しながら、
無農薬の米農家であり、
ガソリンを使わず天ぷら油で車を走らせるWVOを実践し、
10歳未満5人の子どもを子育て中のおとうさんでもある。
桜の山農場のブログ
彼がまだ独身の頃、新得の共働学舎で出会い、
ケイスケも私も、短い間だったけど寝食を共にした。
あれから10年ちょっと。
お互いに家族を持ち、再び同じ感覚で繋がり合えたことが嬉しい。
遠く離れていてるけど、農業や子どもを通して感じることは、
きっと同じ目線、土俵、感覚だと感じるこの頃。
少し長くなるけど、読んでみてください。

彼の出身校「愛農学園農業高等学校」の母体「全国愛農会」の70周年記念事業で開かれた
「それでも私たちは種をまく」という分科会の、坂本くんの報告です。

=============================

ぼくは「平和について考えるとエネルギーにたどり着く」と言う言葉に出会い、
自分の食べるものとエネルギーを作ることが自分にできる平和活動だと思って
暮らしを作ってきました。

その暮らしは弱者から不当に搾取しないためと思ってきましたが、
実は自分自身の心の平和を作るものであり、
ひとのためではなく、自分自身のためだったと気付きました。

その生き方も農業も
とても楽しく、豊かで、平和だなと思います。

しかし今日本は平和でしょうか。

ぼくは、山口上関二建設が予定されていた上関原発の抗議行動を
近くでずっと見てきました。
カヤックに乗って、埋め立て工事の阻止行動に参加させてもらったこともあります。
しかし、そこにかけるエネルギーや感情というのは大変なもので、
そこから感じる負のエネルギーがつらくてしょうがありませんでした。

そんな時に、参議院議員の山本太郎さんの話を聞きました。
太郎さんは「経済を大企業がお金とマンパワーを使って送り出した政治家が、
今の政治を作っているから、
その立場からみれば、今の政治家はとてもよくやっている、ということになる。
と言っていました。

だから、自分達が暮らしやすい社会を作るためには、
自分達が暮らしやすいように、
社会の在り方を変えていかないと、
いつまでたっても、現場での阻止行動しかできないということです。

そのためには、1人1人がアクションを起こさないといけないんですが、
ではどうしたらいいんでしょうか。

この分科会の報告者であるアーサービナードさんは、
「戦争はすごく儲かる経済であり、
その経済は私たちの生活に深く浸透していて、
私たちが何かを買うことで、知らないうちに戦争技術への資金提供になるシステムが
うまくできあがっている、

まずそれを見見極める目を持ちましょう」
と言われました。

さらにそうした戦争を支えるものは、
往々にして「平和」と言う言葉で覆われているともおっしゃっていました。

化学合成洗剤も、
除草剤も
ラウンドアップも、原発も、
すべて「戦争技術」の「平和利用」です。

そういうものを見極めて排除していく暮らしを
楽しみながらしていくということも、提案して下さいました。

今の社会は戦争前夜と言ってもいいくらい、
危機的な状況だと感じています。

辺野古の基地も、
TPPも、
憲法改正も、
今ぼく達ががんばらないと、
子ども達の社会はどんどん住みにくくなってしまう。

だからみんなで
社会を変える取り組みしていかなきゃならないと思います。

そのためにぼく達は、
思いもみんなと共有したいし、伝えていきたい。

それが「私たちが種を蒔く」ということだと思います。
ぼくは、平和の種をみんなの心にまかなきゃいけないとおもっているんです。

それがどんどんつなっていかなければいけないと思っているんです。

どういうアクションができるか
みんなで考えて、
明日から実行に移していきましょう。

===============
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「持続可能な社会」・・「持続可能な農業」・・
持続可能な・・は、きっと当たり前の前提なのだと思います。
そうでないと、次に繋がらないのだから。
そういうことを「当たり前の前提」としながら話し合う、
そんな感覚的に話ができる仲間が居ることが一番必要なことなのかと。

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いいんです、別に同業者であろうがなかろうが。
だって、子育ては持続していくもの、きっとずっと。
農業もそうだよね。
暮らしもそうだよね。
だとすると、もっと私たちは話をしないといけないな・・
と思うのです。
そのきっかけや時間が圧倒的に足りない。
気づきをもらう出来事に出会っても、共有できる仲間がいないと、
なかなか波紋は広がっていけない。

でも、きっと種を蒔く人と、それを共有したい人と、
広げていきたい人は、もうすぐ近くにいて、
あと少し。
きっとあと少し・・なんだと思うのです。

そんな励まし、勇気を彼らにもらっている気がしています。

色んな社会の問題があるけど、
それに気付き、考え、話し合い、
「仲間とユーモアを持って生きること」。
それが平和な社会に繋がる一歩かなと、いつも想っています。



山田農場について

山田農場

Author:山田農場
2006年から農場を開墾し、畜舎・住宅・チーズ工房などを自分たちで建てて、2008年からチーズの販売を始めました。山羊・ヒツジを放牧と地元で獲れる作物で育て、なるべく自然な飼い方で、なるべく自然なチーズ作りをしています。季節を感じ、土地の個性を感じるチーズを楽しんでいただけたら嬉しいです。また、自給自足が目標で、お金のかからない、できるだけエネルギーを使わない暮らしを目指しています。
カテゴリーにあるお店の紹介にはアクセス・営業時間など、チーズの紹介にはチーズの種類と価格など、ヤギ山通信には農場の日記を載せていますので、ご覧いただき、お問い合わせは電話・Fax・メールでお願い致します。

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